政争しかできない仙谷官房長官でも、得意分野の「こんにゃくゼリー」くらいは政治主導を見せるのだから、党代表経験もあり、自民党出身の岡田克也氏は、もうちょっとリーダーシップを見せてもいいはずだ。何かあるんじゃないか?
「そうですねえ、強いていえば政府より一足先に党の“財政再建”に乗り出したことですかね。以前から、党幹部が“俺、何億円使えるの?”などと、はしゃいでいたことに腹を立てていたので、自分が金庫を握るやいなや、さっそく党費引き締めを始めた」(中堅議員)
複数の議員の話を総合すると、「岡田財政再建」はこんな中身だ。
【1】これまで数億円単位で渡してきた財務委員長らの党資金(組織対策費)は上限数千万円にする。
【2】議員同士の勉強会は党本部の会議室を使うこと。夜に食事しながらやりたければ、自分たちでワリカンにせよ。
【3】これまで2000円だった会合等での出前弁当は1000円以下にすべし。
“増税”で党員から搾り取ろうとしないだけ政府よりマシかもしれないが、こういうものはルールを決めればいいわけでもない。「全員で平等に分ける」とした枝野前幹事長が選挙で大失敗したのは記憶に新しい。要は、2人とも巨大な党のカネの使い方がわからないから、安心するために「ルール作り」に走るのである。
それにしても「弁当1000円」とか「ワリカン指令」とは、国会議員相手にあまりにも幼稚な話だ。国民の税金を政治に使うのだから、もっとダイナミックな思想、哲学が見たい。
「堅物の岡田さんは、政治家を束ねる党務より、役人に指示を出す閣僚のほうが似合ってる」(前出議員)という声もあるという。
※週刊ポスト2010年10月22日号