領土、経済、軍事と中国にやられっぱなしの日本だが、その中国に日本はいまだ経済援助を続けていることをご存じか。その額しめて9000億円。たしか対中ODA(政府開発援助)は多くの非難にさらされ2008年に終了したはず。一体、何のための援助か。ジャーナリストの青木直人氏が報告する。
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日本の対中ODAは1979年から開始されたが、これまで円借款(有償資金協力)は約3兆2079億円、無償援助1472億円、技術協力が1505億円にのぼる。一部には対中ODAはすでに終了したとの誤解があるが、終わったのは円借款(08年度で終了)だけで、残りの無償援助と技術協力は今も続いている。
実はここまでは外務省のホームページを見ればわかるのだが、さらにその先には隠れODAとも言うべき対中援助がある。それが、ODAと同時に財務省が始めた低金利・長期間融資の「資源開発ローン」だ。こちらもすでに廃止されたとはいえ、3兆円弱になる。
日本の対中ODAは3兆円と公表されているが、それは外務省の関与する公的な援助だけであり、後者の資源開発ローンをカウントしていない数字である。事実上は日本の対中公的援助は6兆円を軽く突破しているのだ。
※SAPIO2010年11月10日号