もはやテレビで姿を観ない日はないといっていい。通販番組でお馴染みの「ジャパネットたかた」代表の高田明氏(61)は1948年生まれ、1986年に「たかた」創業。1999年に現社名に改称した。
高田氏といえば、甲高い独特の“口上”だが、この原点は、86年、実家のカメラ店から独立して設立した「たかた」時代にある。当時、普及し始めたばかりのビデオカメラを訪問販売した際、機械が苦手な女性や年配者に対する高田氏のわかりやすい説明が好評で売り上げを伸ばした。
1990年には、地元ラジオ局の5分間通販番組でその経験が生きる。ラジオでは視覚的な商品紹介はできないが、対面販売で培った丁寧な高田氏の説明がリスナーに受け、紹介したコンパクトカメラに1回の放送で50台もの注文が入ったのだ。
1994年のテレビ通販進出以降の快進撃は誰もが知るところだが、成功は高田氏が対面販売で培った地道な手法に裏打ちされていた。
※週刊ポスト2010年11月5日号