日本の「タックスヘイブン化」計画が実行できれば、日本経済はダイナミックに変わる。では、その先にはどんな社会ができあがるのか。
『エコノミスト・ミシュラン』(太田出版刊、共著)、『不謹慎な経済学』(講談社刊)など、独自の視点で経済を斬る田中秀臣・上武大学ビジネス情報学部教授は外国人労働者の流入が本格化すると語る。
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現在、日本の中小企業では、単純労働者(非熟練労働者)の数が足りていない。特に福祉関係である。
日本がタックスヘイブン化し、移住しやすい環境が整えられれば、たとえ低賃金でも、喜んで仕事をする人が海を渡ってやってくる。
そうすると、日本の労働市場は様変わりする。派遣の日本人が外国人労働者に排除されると思うかもしれないが、そうはならない。逆に、良いスパイラルの中では、より高度な労働市場が生まれ、さらに働き口が見つかることになる。国籍や世代を超え、多様な人材が育まれる社会になっていくだろう。
※SAPIO2010年11月24日号