OLや公務員よりも、「キャバクラ嬢」になりたい若年女性のほうが多い――そんな衝撃的な調査結果を2007年に発表したのは、「下流社会」という言葉を世に定着させるなど、現代社会の有り様に鋭い考察を加えてきた消費社会研究家・三浦展氏だ。同氏が最新の調査結果をもとに「キャバクラ嬢」になりたい女子の傾向を解説する。
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キャバクラ嬢はいったいどれほどの稼ぎがあるものなのか。
柳内圭雄(やなうちたまお)との共著『女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?』(光文社新書)では、28人の現役キャバクラ嬢へのインタビューを収録したが、回答してくれた女子の平均月収は32万円。最も多かったのは専業キャバクラ嬢の120万円だった。昼間の仕事をしながらキャバクラ嬢をしている“兼業”でも平均29万円を超えており、昼間の平均月収18万円を合わせると47万円となる。年収に換算すれば約600万円。やはり同世代の男性が簡単に稼げる額ではない。
では、巷間あるようなイメージ通り、彼女たちは稼いだお金をブランド品購入など贅沢に費やしているのかというと、そうでもない。生活費や遊興費以外は通っている大学・専門学校の学費に充てたり、親に払ってもらった学費を返していたりなど、意外なほどに堅実な姿が窺えるのだ。インタビューに回答した約半数のキャバクラ嬢が預貯金をしており、その目的は車や旅行、引っ越しなどもあるが、「老後のためにすでに1000万円貯めた」(24歳兼業)を筆頭に、親や自分の老後の生活資金を貯めている子もいる。
※SAPIO2010年11月24日