ライフ

ウンチは実はすごかった 肥料や飲料水を作れ、電気も作れる

 惑星探査機はやぶさの帰還や、「地球外生命の可能性のドアを開く」というNASAによる宇宙生物学上の発見に伴い、“宇宙ブーム”となっている。アジア初の“女性飛行士”向井千秋さんの夫である、慶應義塾大学医学部准教授の向井万起男氏は、宇宙ブームが次に向かう先は、太陽系第4惑星の「火星」である、と力強く語る。

 * * *
 火星は人類のロマンです。だって惑星ですから。月は地球のそばにある衛星でしょう。一方、火星は地球と同じ惑星なわけです。近未来的尺度で考えると、人類が行ける惑星は火星しか考えられない。

 月に行くのとはかかる費用のケタが違います。なにせ遠い。月なら片道4日くらいで行けちゃうわけです。飲料水と食べ物を、3人×10日間分持てば、行くことができる。でも火星となると、往復と現地での活動を含めてだいたい2~3年かかるといわれています。

 宇宙船にはまず、地球との交信や撮影のための機材を積まなくてはならない。仮に8人が2年間火星に行くと考えると、飲んだり食べたりする食料や水なんか、地球から持って行けない。重くて絶対に持ち上がりません。

 ものすごい量の飲み水と食料をどう賄うか、飛び続けるエネルギーをどう調達するかが課題です。当然、排泄物は大も小もリサイクルしないといけない。尿はリサイクルして飲み続ける。

 ジョージ・W・ブッシュが火星探査を発表したとき、乗組員6人の構想だったんだけど、2年の往復で約6トンの固形排泄物を排出するとされた。

 でね、米で6トンの固形排泄物を宇宙へポイ捨てせずに宇宙船のなかでリサイクルしようという研究が行なわれているの。ウンチから肥料や飲料水を作ることができるらしい。この肥料を使って植物を育てるんですよ。

 さらにすごいのが、この固形排泄物から電気も作れるらしい。最近発見された微生物とウンチを一緒にしておくと、なんと電気が作られる。利用できるものは、なんでも利用して、一切の無駄を省いているんですよ。

※週刊ポスト2010年12月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
新キャストとして登場して存在感を放つ妻夫木聡(時事通信フォト)
『あんぱん』で朝ドラ初出演・妻夫木聡は今田美桜の“兄貴分” 宝くじCMから始まった絆、プライベートで食事も
週刊ポスト
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン