公認会計士は司法試験と並び、合格率8%の狭き門。名だたる大学を卒業してのぞんでも合格は難しいといわれる。昨年11月、そんな超難関に、現役高校生の長谷川智也くんが史上最年少の16才で合格し、話題となった。
岐阜在住の長谷川一家。経営コンサルタント会社に勤務する父・時彦さん(52)と管理栄養士の母・明子さん(48)、男3人兄弟の次男が智也くんだ。
「智也は学校の成績は中の上でした。サッカー部で朝練、夕練、土日も練習があったので、勉強はほとんどしていませんでした。休みの日は、好きな漫画を読んだりしている普通の中学生でした」(明子さん)
転機が訪れたのは中3の夏。進学する高校選びが始まったが、智也くんの進路はなかなか決まらなかった。
「夏休みの最終日になっても、進路が決まっていなかったんです。それで私も“困ったなぁ”と思い、話し合ったんです。うちは3人息子なんですが、智也は小さいころからとくに数字に興味を持っていたんですよ。それもあって、“税理士と公認会計士の専門学校を見学に行かないか”と誘ったんです。高校進学先を決める前に、なにか具体的な職業を知ってみたらどうかと思ったんです」(時彦さん)
それから智也くんは週に2回公認会計士専門学校に通って勉強するようになり、2か月後、簿記3級に合格。本格的に公認会計士を目指し、18才までに合格することを目標に決めた。
「会計士になるには相当勉強しないといけないですから、普通科の高校では難しい。そこで“商業高校もあるけど、通信制高校に通う手もあるよ”と話しました」(時彦さん)
智也くんは悩んだ末、通信制のNHK学園の高校講座を受講することを決断。その一方で、中部学院大学の社会人講座「会計プロフェッショナルコース」に通うことを決めた。そして毎朝5時半に起きて1日10時間を超す猛勉強を重ね、高校2年生の秋、見事公認会計士試験に合格した。
「通信制の高校に進学することに反対しなかったのかとよく聞かれます。でも、私は実際、嬉しかったんですね。自分で進みたい道を決められて、息子にやりたいことが見つかったということが本当によかったと思いました」(時彦さん)
※女性セブン2011年2月3日号