衝撃的なデータが発表された。10~20代の男性で「セックスに興味がない」という人数がここ2年で倍増しているというのだ。いまどきの若い男性を象徴する言葉に「草食系」がすっかり定着しているが、このデータから彼らのセックスへの無関心ぶりを裏付けることになった。
高校教諭として25年間、「性」をテーマにした教育を実践し、現在は京都教育大学准教授を務める関口久志さんは恋愛面での“格差”が広がっているという。
「いわゆる“モテる人”と“モテない人”、若者の性に関してはこの二極化が激しくなっています。
というのも、昔なら男性はたとえ容姿がよくなく、会話が下手でもお見合い結婚が主流だったので、いつかはパートナーを見つけることができました。でもいまは自由恋愛が盛んになり、条件や会話のセンスがいい人に女性が集中。モテない人は自信を失って女性に及び腰になり、さらにモテなくなっているんです」
見合い結婚と恋愛結婚の割合は1970年に逆転し、2005年には見合い結婚6%、恋愛結婚87%とさらに大きく差が広がっている。
女性に仕事が見つかりにくい時代は、収入が自信になることもあったが、近年では働く女性が増える一方、非正規雇用の男性が増加。男性は収入面でも自信を感じられなくなった。非モテの男性が自信を失う傾向は、いっそう強まっている。
「女性とまともに話した経験がない若者にとって、セックスは憧れの行為にはなりにくい。学業不振の受験生に『東大に関心がありますか』と聞いても『とんでもない』と答える人が多いように、モテない人たちにとって、セックスというのは関心がない別世界の話なんです」(関口さん)
たとえ性欲が強くても、彼らは生身の人間には向かわない。無料のアダルトサイトやアダルトゲームなどで手軽に解消してしまうのだ。
※女性セブン2011年2月17日号