2月27日、3万人以上が参加して行われた東京マラソンで日本人トップの3位になったのは、埼玉県の高校定時制に勤務する“公務員ランナー”の川内優輝選手(24)。
東京マラソン本番4日前は、大手芸能プロダクションで新人発掘を担当していた父・葦生さんの七回忌だった。家族とともに墓参した川内選手は父に好走を誓い、見事に結果を出した。
レース2日後の朝、川内選手は「これから報告がてらジョギングしてくるから」と父のお墓に走って向かった。川内選手の母・美加さん(46)はこう話す。
「やっぱり現在の優輝の姿を主人に見せたかったですね。大学からの活躍を一切見ることなく、下積み時代しか知らずに逝ってしまったので。でも、いまは主人が天国から後押ししてくれているのかなと感じています」
東京マラソンの副賞は600万円相当のBMWだった。レース後、国産のコンパクトカーに乗る母親に、息子から「車はあげます。これからはBMWで出勤してね」とのメールが届いた。このプレゼントに母は恐縮するばかりだ。
「困りました(苦笑)。わが家には1台分の駐車場しかないし、私が普段乗るにはもったいなさすぎます…。親としては本人の足しにしてほしいんですけどね」(美加さん)
※女性セブン2011年3月24日号