女性優遇が公共サービスにまで広がっている。
例えば東京・荒川区内の3つの図書館には「女性専用席」「女性優先席」などが設けられている。うち南千住図書館では120席中8席が女性専用席で、設置されたのは1988年のことだ。
南千住図書館の東山忠史館長はこう語る。「ホームレス風の男性利用客が多かったことから、不安を感じるという女性利用者の要望を反映して、女性専用席を設けました」
それは、男だって同じなんですが……。
実際に記者が同図書館を訪れてみると、女性専用スペースはガラガラで、使われていたのは1席のみ。女性利用者のほとんどは一般席で本を読んでいた。
東山忠史館長は続けてこう語る。
「最近では、女性優先席に対して、“男性差別だ”という声が出ていますし、女性からも“女性だけを特別視するなんて女性差別だ”という意見も聞こえています。『女性専用席』は見直す時期にきているなと感じています」
それはぜひとも見直していただければ。
一方、大学でも女性専用のコーナーを設ける学校が増えている。埼玉工業大学では、03年に女性専用カフェを設置した。
埼玉工業大学・広報担当者はこう語る。
「1階が男女共用のカフェスペース、2階がソファやパウダーコーナーを設置した女子学生専用レストルームになっています。工業大学ということで以前は男子学生がほとんどでしたが、2002年に人間社会学部を開設し、女子学生が増えたことが設置のきっかけでした。少子化が進んでいますから、女子高生にアピールしたいという狙いもありました」
それでも在学生の8~9割は男子学生。少数の女子学生が2階スペースを独占するのは、なんだか男子学生が可哀相な気がする。
男子学生に話を聞いてみると意外や意外、
「不平等だなんていってたら、女の子の友達ができませんよ。冗談でそんなことをいってるヤツもいるけど、本気じゃないです」
※週刊ポスト2011年3月25日号