福島原発の格納容器の安全性が連日ニュースで報じられているが、格納容器の堅牢性は並大抵ではない。福島第一原発の1号機から3号機までの圧力容器と、問題が起きた2号機の格納容器を製造したのは、IHI(旧・石川島播磨重工業)である。事故のさなかという難しいタイミングながら、本誌取材にこう説明した。
「圧力容器は鋼鉄の鍛造材で厚さは約16センチ。2号機の格納容器は3層構造で、一番内側に鍛造材で厚さ3センチの内壁があり、その外側の外壁が鉄筋コンクリート製で厚さ200センチあります。その外に遮蔽外壁があり、これも鉄筋コンクリート製で厚さ100センチです。どれくらいの熱や圧に耐えられるかは、申し訳ありませんが、弊社が答えられる範囲を超えます」
これだけの情報でも、2号機の危険度を判定する材料としては重要だ。原発技術者の中には、2号機で起きた圧力抑制室の損傷原因が、「炉心溶融による水蒸気爆発が原因ではないか」との見方もある。だとすれば、すでに2号機は「最後の砦」ともいえる格納容器のプールで反応が止まって最悪の事態(放射性物質の拡散)を避けられたことになり、格納容器の防御機能も証明されたといえる。
※週刊ポスト2011年4月1日号