福島の原子力発電所からの放射能漏れを受けて、フランスやドイツの政府が、国外退避の検討を呼びかけるなどしているが、一番敏感に反応したのは別の国民だった。
写真は16日の成田空港第1ターミナル。国際線カウンターは多くの人でごった返し、そのほとんどが中国人だった。
「日本脱出を図る中国人が殺到していて、旅行代理店に電話しても、直近の航空券は全て取れないといわれました。金額を上げて、20万円弱の正規の料金分支払ってもダメだといわれて……。現地中国でも、成田発上海行きの片道チケットが32万円まで高騰しています」(50代男性)
係員が「本日分は満席です!」と叫ぶも、一角では、“中国大使館”と書かれたボードの側で泊まり込みを始める姿も。すでに中国政府も被災地にいる中国人に対して帰国指示を始めた。混乱はまだまだ続く─―。
撮影■太田真三
※週刊ポスト2011年4月1日号