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大津波 東京直撃なら“海抜0m”のお台場・豊洲は非常に危険

 今回の巨大地震最大の恐怖は、まさに水の猛威だった。岩手県の陸前高田市では、ビル8階相当の20mもの高さの津波が内陸10km地点まで押し寄せ、街を飲み込んだ、と考えられている。もし同規模の津波が東京湾を襲ったらどうなるか。地震災害に詳しい攻玉社工科短期大学名誉教授の大野春雄氏がいう。

「埋め立て地であるお台場や豊洲に加え、海岸沿いの江東区、江戸川区などの城東地区は“海抜ゼロメートル地域”で水が流れ込みやすい。また液状化現象も見られる地域で、危険度は非常に高い」

 また、荒川や隅田川を遡上した津波がより内陸に入り込むと、被害はさらに拡大。

「城東地区にある千代田線や日比谷線などの地下鉄に水が流れ込めば、短時間で丸の内や大手町を通り銀座あたりまで水害が及ぶでしょう。都の電気、ガス、通信などのインフラは地下にあるため、首都機能がストップする可能性もあります」(都市ジャーナリスト・森野美徳氏)

 実は、東京に津波対策のシミュレーションマップは存在しない。というのも、巨大地震が発生しても、三浦半島や房総半島に挟まれた東京湾には高さ20m級の津波の被害はないとされているからだ。しかしながら、今回の大震災をみても想定外だらけ。もし、予想だにしない大津波が都を直撃すれば大惨事は免れない。

 東京23区内は海抜0m地域が22%あり、高低差は約44mとアップダウンのある地形。「目黒区~港区から内陸側は坂が多く、10kmより手前で止まると考えられる。逆に海抜0mが続く荒川沿いはより進む可能性がある」(大野教授)という。

※週刊ポスト2011年4月1日号

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