今回の震災では、世界各地から心温まる支援の声が寄せられる一方で、海外メディアによる報道の中には「日本をバカにしているのか!」と怒鳴りたくなるようなものが散見される。
ヨーロッパでも、パニックを煽るような記事ばかりが目立った。
イギリスの大衆紙『サン』では、「東京から逃げろ!」の大見出し。これだけでも噴飯モノだが、中の記事を読むと、もうあ然。
同紙には、東海道新幹線に乗り込もうとする人々の行列を写した写真が掲載されていた。東京駅では毎日のように見られる日常の光景だが、この写真についたキャプションは、「逃げろ――東京を脱出する新幹線に数千人が乗りこんだ」だった。
また、同紙ではことあるごとに花粉症対策のマスクをした日本人の写真を原発記事の中で紹介。あたかも放射能漏れ対策のためにマスクをしているかのような印象を植え付けている。
日本人にとって「春の必需品」となったマスクを、原発事故と結びつけようとする報道は世界中で見られる。
フランス在住の企業駐在員によれば、「日本の震災や原発事故を報じる時、こちらのテレビは常にマスクをしている日本人を映して“マスクをする人々は増え続けている”と思わせぶりに報じる。確かにこちらでは風邪や花粉症でマスクをする人は皆無ですから、そう思うかもしれないが……」
極めつきは、お隣中国。ネットメディア『spn睿商在線』では、日本で起こった大震災が地下核実験によるものである可能性アリと報道。中国に対抗するために、と石原慎太郎都知事などの働きかけで密かに核開発がすすめられていたのだという。原発事故は、それを隠蔽する日本政府による自作自演だというのだ。
※週刊ポスト2011年4月8日号