3月20日、韓国でこんな報道があった。教育科学技術部が過去10年、毎年2月から4月にかけて黄砂が集中的に発生する期間、大気と地表から放射性物質セシウムが検出されていたことを明らかにしたというのだ。同部では、セシウムは黄砂によって運ばれてきたと推測している。
韓国のネット上では「放射能」と「黄砂」を組み合わせた造語である「黄砂能」という言葉まで生み出され、多くの人々を不安がらせている。中国に詳しいジャーナリストの富坂聰氏はこう話す。
「1990年代半ばころまで中国は核実験を頻繁に行っていました。当時も、放射性物質を日本ほか周辺の国にまき散らしていました。そのときのセシウムがまだ残っていて黄砂とともに飛散してきたとしても不思議ではありません」
日本の気象庁に聞くと、これまで黄砂の放射線量を計測したことがないとのこと。しかし、もし韓国の調査が本当だとすれば、この黄砂により、福島原発からははるかに遠い西日本でも放射能の影響を少なからず受けることになる。
※女性セブン2011年4月28日号