震災発生から1か月以上が経ったが、救援物資の運搬や不明者捜索で被災地を飛び回った関東地方の陸上自衛隊ヘリ部隊の隊員は、活動をこう振り返る。
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今回は自衛隊機も米軍機も仙台の霞目駐屯地をベース(拠点)として活動しました。こうした形での共同作戦は初めてなので仕方ないかもしれませんが、米軍機の離着陸や燃料補給が優先され、われわれは後回しにされることが多かった。上層部には米軍に遠慮せざるを得ない空気があったのでしょう。
現場として「無理があった」と思うのは、初動で10万人もの隊員を一挙に投入したことです。出動命令を出す立場の方は「全力を挙げている」ことを世間に示したかったのでしょうが、これは24時間で3交替という原則を無視している。
われわれは休みなく活動する覚悟もあるし、実際に陸上部隊には3日間も不眠不休で活動していた隊員も多い。しかし、実際には1か所に必要以上の隊員が集まったり、疲労のために倒れる隊員がいました。「全力」は挙げましたが、決して「最高」のパフォーマンスではなかった。
最高司令官は交替も補給もないまま突き進んで3万人以上が死んだ「インパール作戦の失敗」をご存じないのかもしれませんね(苦笑)。われわれの活動は総じて好意的に報じられていますが、現場も上層部も反省すべき点は多かったと思っています。
※週刊ポスト2011年4月29日号