視聴率の低迷が続いているNHK大河ドラマ『江姫たちの戦国』。放送開始直後は20%以上をキープしていたものの、徐々に陰りが見え始め、3月27日放送分では15.7%(ビデオリサーチ調べ)にまで落ち込んだ。
一部では『のだめ』のまんまな上野樹里の演技に理由があるとの意見もあるが、コラムニストのペリー荻野さんはちょっと同情的だ。
「大震災以降、視聴者が“ドラマを落ち着いて見ていていいのかな”という気持ちになっていたと思います。『金八先生スペシャル』とぶつかって、気が散った面もあります」
たしかに震災後は、計画停電などもあり、しばらくドラマを見る気になれなかったという人も多いだろう。さらには江の子供時代が長く続いたことも一因、と荻野さんはいう。
「江がなかなか大人にならないので、ちょっとじれったさがありましたよね。ドラマが始まって3分の1が子供時代というのは、珍しいです。“大人”のキャラクターにドラマを動かしてほしいのに、いまは岸谷五朗の豊臣秀吉も子供っぽい漫画チックな演技をしている。だから“大人が軸になる歴史ドラマとしてはどうなの?”と感じる人もいると思います」
でも、だからこそ、江が大人になるこれからに期待できると荻野さん。
「江は何人も子供を産み、かわいそうに、秀吉に嫁いだ姉の茶々と殺し合いになっていく。子供時代をこれだけひっぱっているのは、ものすごい激動の運命を江に背負わせるための我慢なんですよ。秀吉がおちゃらけているのも、後に朝鮮出兵などに突っ走る、狂気に満ちた恐ろしさを演出するためでしょうね」
※女性セブン2011年5月12日・19日号