昨年5~6月にかけ、中国・福建省出身の日本人姉妹の親族とされる中国人が相次いで入国し、直後に大阪市へ生活保護を大量申請した問題は、前代未聞の珍事だった。実は本誌は、昨年の問題発覚時に、来日中国人のひとりを取材していた。老姉妹のひとりが妻の祖母にあたるという男性は、きっぱりとこういった。
「自分たちは日本人の子孫だし、帰国するのは当然だと思う。言葉が通じず、どの会社も採用してくれない。仕事もないし、こういう制度(生活保護)があるので使うのは当たり前だと思う。仕方がないではないか」
また、彼らの背後には、住居を手配し、生活保護申請にも付き添った不動産業者の日本人男性がいた。今回、話を聞きに行くと、一気にこうまくしたてた。
「中国人たちは、もともとずっと生活保護を受けたくて来たんやないんよ。仕事を探して、その間のつなぎとして、2~3か月だけ生活保護で面倒みてもらいたいっていうことやん。それがあかんのやったら、入管で止めたらええやんか。
こんなん、まるきり入管のミスやんか。大阪市も、“だまされた、被害者です”みたいな顔してるけど、違うやんか。一旦、精査したんでしょう、生活保護を通したんでしょう。市が返還を求めるなら、入管にも返還を求めたらええねん」
彼の言葉が正論に聞こえてしまうほどに、わが国の行政は甘すぎた。
※週刊ポスト2011年5月27日号