夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回は、ご主人(46歳)がOA機器メーカー勤務の奥様(43歳)からの報告。高校生と中学生の娘さんがいます。
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主人って、自分のツイッターにはすごくいい話を書くんです。例えば、「三尺三寸(約1m)箸に学ぶ」。
「仏教の説話だが、この三尺三寸箸で料理をつまみ、自分だけ食べようとする人は箸が長すぎて自分の口に届かない。慈愛の心を持った人はどうするのか? つまんだ料理を相手の口に持っていく、すると相手も料理をつまみ、その人の口に持ってきてくれる。震災後のチャリティー精神はまさにこれである」。
娘たちに読ませたんですが、「これ、パパの文章じゃない!」と信用しないんです。家庭での主人はというと、夕食の時、長女の胸元をチラっと見て、「また膨らんできたなァ」と呟いたり、「犬は何匹も産むから乳首がいくつもあるのは分かるけど、人間はほとんど1人しか産まないのに、なぜ2つあるのか分かるか? 1つは赤ちゃん用、もう1つはパパのモミモミ用だ」なんてバカなことをいい、娘たちから「最低!」と顔をしかめられています。
「娘たちの前でも、ツイッターと同じような真面目な話をしてよ」というんですが、「オレは笑いのある家庭にしたいんだよ。娘たちは内心喜んでいて、『パパって面白くて大好き!』って思ってるはずだ」って、それは絶対にありません! 娘たちからは「パパとは一緒に食事したくない」宣言が出ていますから!
※週刊ポスト2011年6月10日号