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地表に落ちた放射性セシウムが風で飛散する危険性大と専門家

 福島第一原発の事故から2か月。原子炉では連日、注水作業が行われ、新たな放射性物質の大量流出は起きていない。しかし、5月24日から2日間、福島へ行き放射性物質の現地調査を行ったという北里大学獣医学部教授の伊藤伸彦氏は「2次的飛散」の危険性を指摘する。

「2次的飛散」とは、地表に落ちた放射性物質が舞い上がり、それが風によって飛んで行くこと。つまり福島原発から今後放出される放射性物質だけでなく、この3か月近くにわたって地表に蓄積された放射性物質も要注意なのだという。

「携帯用の放射線測定器を持って地表から1mの高さで調査したところ、福島の汚染の高い地域では、ちょっと風が吹いただけで測定器は1.5~2マイクロシーベルトと大きく反応していました。地表に落ちた放射性物質が大気中に舞い、それが測定に影響したのでしょう。事故から2か月以上が経ち、ヨウ素はすでに半減期を何度も迎え、ほとんど放射線を出すことはありません。ですが、半減期が30年と長い放射性セシウムの大半は地表に落ちたと考えられます。しかし、地面が乾燥しそこに風が吹くと、それらは再び宙を舞い、また飛散してしまうのです」(伊藤教授)

※女性セブン2011年6月16日号

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