未曾有の大災害、本邦初のメルトダウン(炉心溶融)、大規模停電と経済急失速の危機、そしてテロの恐怖かつて経験したことのない国難にある今ほど、人々の不安を払拭する優秀なリーダーの登場が待ち望まれている時はない。大前研一氏が「もし首相だったら」何をするか、提案する。
* * *
もし私が今、日本の首相だったら、第一案として「脱原発」の指針を示すだろう。
現在、日本の総発電電力量に占める原子力発電の割合は約35%だが、実際には原発の操業度は5割に落ちている。ということは、日本全体の電気使用量を15~20%削減すれば、原発なしでも電力は足りる計算になる。そこで、以下の3点を国民に要望する。
【1】個人も法人も電力使用量を昨年の同じ時期に比べて20%削減すべし。1年経っても達成できていない口座は電気料金を5割高くする。
【2】家電メーカーは製品の消費電力量を5年以内に2割カットすべし。5年後に条件を満たしていない製品は販売を禁止する。
【3】「電力危機警報システム」を導入し、それぞれの地域で電力使用率が90%を超えたらテレビやラジオ、インターネット、携帯電話で警報を流す。95%を超えたら「電力消費停止命令」を出す。
この3つで「脱原発」を呼びかけるのだ。
今、多くの日本人は将来への不安に苛まれている。それを払拭するために、まず日本は原発を稼働させなくても、国民の総力を結集すれば今の国難を克服できるということを納得してもらうのである。
※SAPIO2011年6月15日号
関連記事
トピックス

《海外メディアでも物議》八代亜紀さん“プライベート写真”付きCD発売がファンの多いブラジルで報道…レコード会社社長は「もう取材は受けられない」
NEWSポストセブン

《“ショーンK復活”が話題に》リニューアルされたHP上のコンサル実績が300社→720社に倍増…本人が答えた真相「色んなことをやってます」
NEWSポストセブン

愛子さま、結婚に立ちはだかる「夫婦別姓反対」の壁 将来の夫が別姓を名乗れないなら結婚はままならない 世論から目を背けて答えを出さない政府への憂悶
女性セブン

【インタビュー】世界でバズった六本木のコール芸「西山ダディダディ」誕生秘話、“夢がない”脱サラ社員が「軽い気持ち」で始めたバーダンスが人生一変
NEWSポストセブン

追悼・小山正明さん 金田正一さん、米田哲也さんとの「3人合わせて『1070勝』鼎談」で「投げて強い肩を作れ」と説き、「時代が変わっても野球は変わらない」と強調
NEWSポストセブン

《大阪・関西万博「開幕日」のトラブル》「ハイジはそんなこと望んでいない!」大人気「スイス館」の前で起きた“行列崩壊”の一部始終
NEWSポストセブン

《“イケメン俳優が集まるバー”目撃談》田中圭と永野芽郁が酒席で見せた“2人の信頼関係”「酔った2人がじゃれ合いながらバーの玄関を開けて」
NEWSポストセブン

山口組がナンバー2の「若頭」を電撃交代で「七代目体制」に波乱 司忍組長から続く「弘道会出身者が枢要ポスト占める状況」への不満にどう対応するか
NEWSポストセブン

《雅子さまを迎えたコンサバなパンツ姿》藤原紀香の万博ファッションは「正統派で完璧すぎる」「あっぱれ。そのまま突き抜けて」とファッションディレクター解説
NEWSポストセブン

《22歳女性ライバー最上あいさん刺殺》「葬式もお別れ会もなく…」友人が語る“事件後の悲劇”「イベントさえなければ、まだ生きていたのかな」
NEWSポストセブン

《永野芽郁、田中圭とテキーラの夜》「隣に座って親しげに耳打ち」目撃されていた都内バーでの「仲間飲み」、懸念されていた「近すぎる距離感」
NEWSポストセブン

「女性のムダ毛処理って必要ですか?」18年間ワキ毛を生やし続けるグラドル・しーちゃん(40)が語った“剃らない選択”のきっかけ
NEWSポストセブン