過熱するスマートフォン市場で人気を二分しているのが、iPhoneとAndroid端末。一見似ているように見えるが、実際の使用感や特徴はどちらを選ぶかで、かなり異なってくる。Androidの利点とは何か? また、Android派のエキスパートはiPhoneのどこにデメリットがあると考えるのか?
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AndroidはGoogleが開発したOS(基本ソフト)で、携帯メーカー各社がOSを自由にカスタマイズして端末に搭載できるのが大きな特徴。そのため、様々なメーカーからそれぞれの個性を持ったAndroid端末が数多く誕生している。
スマートフォンの話題などを扱うメディア『TECH SE7EN』を運営し、ガジェットやソーシャルメディアの話題が専門分野のイイヅカアキラ氏が語る。
「Googleが開発するだけに、Gmailを筆頭にGoogleが提供するサービスとの相性も抜群です。GoogleのサービスはiPhoneでも利用できるけど、Androidは最新技術がいち早く反映されることもあり、一歩進んだサービスが利用できる」
おサイフケータイなど日本独自の仕様に対応した端末も多く発売されており、自分にあった端末を選択できるのも大きなメリットだ。イイヅカ氏はAndroidのメリットを二つ挙げる。
【1】多彩な機種から好きな端末を選べる――「iPhoneが現行の1機種しか選べないのに対し、Androidは様々な特徴を持った端末が複数のメーカーから提供されており、ユーザーに選択肢が多い。自分にあった端末が選べる」
【2】Flashを再生できる――AndroidはFlash Playerに対応しているため、ほとんどのウェブサイトをパソコンと同様に閲覧可能。「これはiPhoneではできない大きな特徴」
また、Androidが世界シェアNo.1なのも利点だ。アメリカの調査会社Canalysの発表によると、2010年第4四半期の全世界スマートフォン市場において、Androidを搭載したスマートフォンのシェアが32.9%で首位に立った。また、テザリング対応モデルがあるのも利点。スマートフォンを媒介に、PSPやノートPCを連動させる無線サービスとして注目を集めるテザリング。ドコモの夏モデルでは7機種が対応、auも一部で対応開始する。
また、イイヅカ氏はiPhoneの弱点を「Flashが見れず、アプリの規制が厳しい」と説明する。iPhoneはFlash Playerを動かせないため、閲覧できないサイトが少なくない。
「またアプリの審査も厳しく、AndroidではリリースされているアプリがiPhoneではリリースできないケースも増えている。自由なAndroidに比べると制約が多い」(イイヅカ氏)
また、日本独自の機能が欲しい人には、不満が残りがちだ。Androidが様々なメーカーによって作られているのに対し、iPhoneはアップル社のみが開発している。そのデメリットについてイイヅカ氏は「これはiPhoneが常にグローバル仕様で開発されることを意味します。当然ながら日本独自に普及しているワンセグや赤外線通信に対応する可能性は低い」という。そして、「粗削りな部分もあるが、多彩な機能がウリ」とAndroidを総括している。
※週刊ポスト2011年6月17日号