日本の「脱原発後」を見据えた熾烈な競争の火蓋は、既に切られている。3日間で東京ビッグサイトに10万人近い来場者を集める、世界最大級の環境エネルギー見本市「新エネルギーWeek」の事務局は、それを実感しているという。
「震災前の3月2~4日に行なわれた今年の展示会に出展していただいた企業の数は、国内外から1562社と過去最多でした。ですが来年の展示会への出展希望は、今年を上回るペースで集まっています。このままいけば、およそ4割増の2200社程度の出展があると予測しています。
もちろん、新興国向けの需要が高まっていることも増加の理由の一つだと思いますが、やはり東日本大震災を受けて、日本国内で環境エネルギー関連の需要が大きくなることが見込まれており、『日本での展示会には、出ておかないとまずい』という意識が各社にあるのだと見ています」(事務局)
この見本市では、「[国際]太陽電池展」「[国際]水素・燃料電池展」など7つの異なる展示会が1か所で開催される。今年出展した日本企業と海外企業の比率はおよそ6対4だった。来年もほぼ今年並みの比率になる見込みとのことだが、“特定の分野”には興味深い変化があるという。
「7つの展示会の中に、『スマートグリッド(次世代送電網)EXPO』があります。 今年の出展はほとんどが国内企業だったのですが、来年に向けては海外からの応募が目立って増えています。スマートグリッド分野では、特に世界から日本市場への注目が高まっているということではないでしょうか」(同前)
※SAPIO 2011年6月29日号