「都も測定しているようですけど、同じ区でも場所によって違うというし、自分の家族が生活する周辺の値が知りたくて購入しました」(品川区在住・30代主婦)
そういって、みずからガイガーカウンターを購入して放射線量を測定する主婦も少なくないという。安いものでは3万円前後から買えるとあって、東京・秋葉原の電気街でも売り切れ店が続出。インターネット上では販売だけでなくレンタル業者も多数登場している。
実際にレンタルを行っている、東京・銀座にある有限会社シエスタの代表取締役・田中久大さんがこう話す。
「毎日全国から問い合わせが続いています。ガイガーカウンターはチェルノブイリの事故があったロシアと原発開発に力を入れている中国の製品が多いんです。黒板消しサイズから手のひらサイズのもの、時計型のものまでさまざまな種類があります」
同社でレンタルしているのは販売価格5万~100万円のガイガーカウンター。レンタル代は1日3150円~2万1000円という。その価格の差はどこにあるのだろうか。また選ぶときのポイントは?
「高額なものはやはり精度が高かったり、壊れにくかったりします。自分で購入する場合にいちばん大事なのは、『国内動作保証』と『1年間のメーカー保証』がついていることです。ガイガーカウンターは精密機械。センサー自体も取り替えが必要な消耗品で、とても壊れやすい商品なんです。製造国から航空輸送する際に壊れてしまうことも多いんです」(前出・田中さん)
事実、消費生活センターなどにはインターネットで購入したガイガーカウンターが、届いた時点で壊れていたり、2度使っただけで壊れてしまったといった苦情が多く寄せられているという。
ガイガーカウンターは機種によって多少の違いはあるが、ボタンも少なく、操作は簡単だ。電源を入れ、リセットボタンを押せば、測定が始まる。しばらくはガイガーカウンターを動かさずに表示される数値が安定するのを待つだけだ。
とはいえ、正しく測るにはこんなことを知っておく必要がある。環境放射能に詳しい日本大学生物資源科学部講師の小澤祥司さんの話。
「放射性物質がガイガーカウンターに付着してしまうと正しい値が出なくなってしまいます。なので、ビニール袋などに入れて測定すると良いでしょう。別の場所を測るときには、その袋を替えるか洗うなどしてから使いましょう。またより正確さを求めるなら5回ほど測り、最も高い数値と最も低い数値は切り捨て、残り3つの平均値を出します」
※女性セブン2011年7月7日号