現役最高齢の助産師・坂本フジヱさん(87)は、64年間にわたり、お産という“命の瀬戸際”に立ち会い続け、4000人の赤ちゃんを取り上げてきた。6月12日に放送された『情熱大陸』(TBS系)でも、坂本さんのテキパキとしたお産の現場での姿が話題となったが、今回も赤ちゃんについて語ってくれた。
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「生後3日はお乳は出ない。1滴か2滴です。だからいまのお母さんは乳が出えへんから飲まさんという。このときに吸わさんと、お乳がパンパンに張ってきても飲みません。お茶碗の糸尻に吸いつけというのと同じです。ふにゃふにゃのときに含ませて練習させるのが大事です。
赤ちゃんは自分で吸って吸って、自分の口に合うようにお母さんの乳首を形成するんです。赤ちゃんは賢いんやで。無駄な動きはひとつもない。お乳が出とらんのに、一生懸命吸う。神の仕業やな、これ。
男の人は女の人になんやかやするときは、いちばん先にお乳ひねくるでしょ。それとキスするやろ、口に。赤ちゃんもね、栄養もらってるだけではなしにセックスの勉強してんねん。
お乳を吸うことによって性の遺伝子、潜在意識を目覚めさせて、やがてきたるべき14~15年先の思春期に向けて勉強してるの。お乳を吸って、自分も大事にし、相手も傷つけんようにすることを勉強してる。
その経験がないと、思春期の性欲がいちばん強い時期に相手を傷つけたり暴走することになる。ことに男の子はセックスに対する強烈な欲求を抱くことになる。男の子の性衝動は排泄欲です。溜まったら出しとうなる。小便と同じです。それを制御なしに、暴発させる。
女の子も、援助交際に走ったり、いびつなかたちの性を求めたりする。
そうならないために、とにかく母親は赤ちゃんを抱く、ハグする。これが成人しても、心の安らぎを覚えさせるんです。愛というのはまず相手を尊敬し自分も尊敬される関係で成り立ちますよね。お乳を吸うことでこれを学習してるんです。
セックスはやりたいときにやったほうがええ。ことに女の人は、子供ができたらセックスは疎ましいという人がいてる。夫がそばに寄ってくるのも疎ましい。これはあかんです。
いまの奥さんは子供ばっかりに集中しますが、子供も、息が詰まってる。反逆も、しとうなる。それより、セックスして夫婦仲良うすることが大事です。これが子育ての基本です。
小学校5年生の女の子がやってきた。『いつお母さんがおらんようになるか、心配でしょうがない』という。かわいそうでしょ。話を聞いてみると、お母さんとお父さんがしょっちゅう喧嘩してるお家やった。子供はお母さんがいちばん好きです。子供のためにも、夫と仲良うせんといかんよ」
※女性セブン2011年7月14日号