バッシングにも耐え、「やめろ!」のプレッシャーもものともしない菅直人首相だが、そんな首相を支えるのが伸子夫人だ。そんな彼女は、有力企業の経営者や官僚OBなどで構成される「親睦会」のメンバー約20人をある日の昼下がり公邸に招いた。
昼間だったので来客には紅茶やコーヒーが振る舞われたが、茶菓子の消費期限が切れていて皆で大笑いになった。
キッチンの大きな冷蔵庫の中には果物や野菜がぎっしりと詰まっていたが、バナナは腐りかけていた。参加者は「ここに籠城しているような生活なんだと、ふいに憐れにも感じた」と感想を語る。
伸子夫人は、一行を夫妻の寝室にも案内した。シングルベッドが2つ、傍らには菅総理のブリーフが干してあった。そして嬉しそうな表情で、
「ここは居心地がいいのよ。出たくないわ」
そう口にしたのだという。
夫が退陣表明(6月2日)した後も、伸子夫人はそれを認めていない。毎日新聞の取材に、「これまで首相がいともあっさり、簡単に辞めちゃった方が不思議です」(6月9日付)と答えている。
菅氏の最後の粘り腰の源泉は、この夫人の権力欲にあるようだ。
※週刊ポスト2011年7月15日号