日本でもテレビなどで報じられた、中国の「スイカの爆発」。だが実は、これは“氷山の一角”。中国ではあちこちでいろんなモノが爆発し、「爆発しちゃいけないモノ」まで爆発している。ジャーナリストの吉村麻奈氏がレポートする。
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1月末、舞台は広東省広州市の住宅街。偶然居合わせた人が大きな音に驚いて振り向くと、鼻を突く強烈なニオイ。なんと、バキュームカーのパイプが破裂したのである。
バキュームカーを運転していたのは屎尿を転売目的で盗む窃盗団だったらしく、“事件”が起きた後、そのまま逃走。なぜパイプが爆発したのかの原因ははっきりしていないが、道路は汚物の川となり、「天まで臭気が立ち上っていた」という。
またも“臭い話”で恐縮だが、中国ではトイレも爆発している。昨年12月、浙江省のマンションで、いきなり便座がドカンと音を立てて割れた。最近普及しているシャワートイレ便座の水漏れによる漏電が原因と見られている。幸い使っていない時の出来事だったが、中国では、トイレにまたがる時にも注意しなければならないということか。
道を歩く時も足元に気をつけなければならない。遼寧省瀋陽市で6月11日、突然マンホールの蓋が吹っ飛んだ。なぜか。地下に溜まった汚水から発生したメタンガスや、漏れた都市ガスなどに、火気が引火したらしい。マンホールの爆発事故は今年に入って中国各地で5~6件発生している。
しかし道路の爆発は頻繁に起きているためか、中国の人たちはさほど驚かない。6月の事故の際も、近くで結婚披露宴が開かれていたが、「いやあ、めでたいことだ」という声が上がったという。確かに中国では祝い事には爆竹花火は欠かせないが……。
※SAPIO 2011年7月20日号