テレビでもお馴染みの流通ジャーナリスト・金子哲雄氏が、ニュース記事から「経済」を語るこのコーナー。今回は、被災地でがんばる本屋さんの記事から、町の本屋が生き残る道を説いてくれた。
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『新われらの時代に 被災者と復興支える本屋さんの「底力」』(女性セブン7月7日号)は、町の書店が地域の大事なコミュニケーション・スペースであることを気づかせてくれました。
いまは雑誌をコンビニで買う人が多く、町の書店は減っています。でも地域の人が集まる情報拠点としての機能が、書店にはあるんですね。ここに21世紀の町の書店経営の未来があると思います。
銭湯だって昔は風呂代で儲けていたけど、いまのスーパー銭湯は風呂上がりのビールなど飲食代で儲けています。カフェで儲ける書店があってもいいんですよ。あくまで書店なんだけど、儲けの軸をもうひとつ持つということです。
六本木ヒルズの『TSUTAYA TOKYO ROPPONGI』は仮に本が売れなくてもスターバックスのカフェで売り上げが確保できるようになっています。青山一丁目の旅の本屋『BOOK246』は、旅関係の本や雑貨に特化し、旅好きが集まります。このようにコンビニと差別化を図っていけば、町の書店は充分、生き残れるはずです。
※女性セブン2011年7月28日号