7月24日、DREAMS COME TRUE(ドリカム)は、4年に1度行われるライブツアー『ワンダーランド2011』をボーカル・吉田美和(46)の故郷、北海道・札幌ドームでスタートさせた。前回、すなわち4年前のこのツアーは、吉田にとってあまりに切なくつらい日々だった。
当時、彼女には9才年下の、事実婚の夫がいた。2004年に“共に白髪がはえるまで一緒にいよう”と誓い合った映像作家の末田健さん(享年33)だ。当初は彼もツアーに同行する予定だったが、ツアー幕開け直前に体調を崩し、診断の結果、胚細胞腫瘍という重い病気であることがわかった。
2007 年9月23日、無事にツアーは最終日を迎えた。末田さんとの約束を果たした吉田はその足で病室に駆けつけた。約2か月に及ぶツアーを終えて疲労困ぱいながらも、それから3日間、朝から晩まで彼に付き添った。しかし、ツアー終了を見届け、安堵したように、3日後の9月26日、末田さんは帰らぬ人となった…。
末田さんが眠る東京都内の霊園では、こんな姿が目撃されている。
「昨年の秋ごろ、命日近くに、吉田さんが末田さんの両親と一緒に墓参りに来ていらっしゃいましたよ。その日だけじゃなく、年に何度かは、お墓を訪ねているみたいですね」(霊園関係者)
伴侶が若くして亡くなると、遺された相手方の両親とは、どうしても少しずつ疎遠になってしまうケースが多いが、末田さんの死後、吉田は“義父母”とどんな交流をしてきたのか。彼の実家を訪ねると、末田さんの父親がこう話してくれた。
「いまでも普段から電話とかはくれますよ。私の体を気遣ってくれたりとか。あの震災の後も“私の実家の北海道は、あまり被害が大きくなかったみたいだけど、そちらは大丈夫ですか?”と、心配して電話くれましたよ」
吉田は、末田さんとは正式に籍を入れたわけではないので、彼の両親とも戸籍上は親子関係になったことはない。しかし、吉田にとっては最愛の彼が愛した両親。自分以上に悲しみのどん底にいたふたりをほうっておくことなどできなかった。
吉田は末田さんの両親と本当の親子同様に“絆”を深めていた。
「お正月とか、お盆とか、節目、節目にはお墓参りにも来てくださってます。ただ今年は大きなツアーがあるので、忙しくて会えてないんですけど…」
しかし、「『ワンダーランド』は、生前の末田さんも楽しみにしていたイベントですよね?」と尋ねると、父親は笑顔を浮かべた。
「そうなんです。だからファンのみなさんのためにも、息子のためにも、そちらを優先していただきたいと思ってます」
“息子のためにも”――そう胸中を明かしてくれた末田さんの父親。末田さんの両親にとっても吉田の歌声が、何よりの“再起への源”となるのかもしれない。
※女性セブン2011年8月11日号