福島第一原発の事故は今後のエネルギー政策のみならず、根本的な国家戦略、科学技術とのスタンスの取り方はどうあるべきなのかをも問い掛けている。世論が「脱原発」「反原発」に傾く中、この問題をどう考えるべきなのか。
本誌が保守派言論人26人に緊急アンケートを行なったところ、「無条件継続」が4名、「条件付き継続」が17名、「将来的に廃炉」が1名、「議論待ち、どちらでもない、など」が4名となった。
「条件付き継続派」17名のうち、3名の論客がその根拠を語る。
●遠藤浩一(拓殖大学大学院教授)
「今回、電力供給のベストミックスが死活的に重要なことが証明された。今回は原発停止分を火力など他のエネルギーで補っているが、海外からの資源供給に事故があった場合は原子力で補うべき」
●金美齢(評論家)
「原発は現時点では最もクリーンなエネルギー。今回の事故を教訓にして細心の安全装置を研究開発し、原発を存続させる」
●櫻井よしこ(ジャーナリスト)
「世界一安全な原発に改善し、日本への信頼性を再確立すべき。脱原発論には、コスト、産業への影響、安全保障の弱体化(原発放棄は核武装の可能性放棄)をどうするかという全体像が欠落している」
※SAPIO2011年8月17日・24日号