最近のテレビはつまらん! そう息巻く諸氏が必ず漏らすのは、「昔のテレビは面白かった」――では、テレビ番組はどう変わったのか。
モデルケースとして2011年8月1日(月)と2001年8月6日(月)の番組表を対比して調べたところ、まず目についたのは海外ドラマの増加だ。フジ、TBSともに10年前はゼロだったのが、現在はそれぞれ約2時間50分と約1時間。それも全て韓国ドラマである。
たとえばフジは月~金曜日で昼の14時から『製パン王キム・タック』、続いて15時から『恋愛マニュアル』と二本立てで放送している。
フジ局員が内情を明かす。
「円高ウォン安の影響でどんどん買い付けの値が下がっていますからね。自社制作するより安価で主婦層の視聴率が見込める。だからスポンサー側も出広しやすい。そのため、うちは自主制作ドラマを半減させたぐらいです」
フジの10年前のドラマ(海外のぞく)の放映時間は4時間10分、対して現在は2時間20分である。
同局に出入りするシナリオライターはいう。
「局が制作するドラマは相当、劣化しているといっていい。上層部は、子供とイケメンと動物を出しておけばギャラが安くて数字も取れるとさえ語っていました。ちなみに、視聴率20%を超えるヒット作になった『マルモのおきて』(フジ)に出演していたのは、タレント犬ではなく関係者の飼い犬(笑い)。冗談ではなく、そこまで制作費が切り詰められています」
※週刊ポスト2011年8月19・26日号