民主党が2009年の政権交代の時から、看板マニフェストとして掲げてきた子ども手当が、たったの1年半で幕を下ろすことが決定した。子供を持つ家庭にどんな影響があるのだろうか。家計の見直し相談センターの藤川太さんが説明する。
「子ども手当の導入に伴い、今年1月から所得税の扶養控除が廃止されており、さらに来年から住民税の扶養控除廃止の影響が出ます」
扶養控除とは、扶養家族がいる家庭の税金を優遇する措置のこと。つまり、子供がいる家庭などはその減税措置が廃止されるのだ。藤川さんが続ける。
「子ども手当が支給されていた昨年の家計と比較すると、年収500万円の4人家族で年間5万~17万円のマイナスになります。子ども手当導入前と同じレベルの手取り収入に戻るわけです。長引く不況で主婦のかたがたは何年も家計の節約を続けており、もう雑巾をいくら絞っても何も出ない状態。新たな負担増は非常に厳しいですね」
さらに来年4月からの児童手当では、子ども手当にはなかった所得制限が設けられる。年収960万円程度で、共働きの場合は年収が多いほうで線引きされる。上限を超える家庭は支給額がゼロになる見込みだ。
藤川さんによる家計シミュレーションによると、2010年度に比べて、2012年度は親の年収にかかわらず全部の家庭で大幅なマイナスになる。
「年収1000万円程度の4人家庭では、昨年と比べて約50万円も家計がマイナスになります。この世帯は子ども手当導入前と比べても年間22万円近い大増税になります」(藤川さん)
※女性セブン2011年9月8日号