テレビや雑誌に引っ張りだこのカリスマ医療ジャーナリスト・伊藤隼也さんが男と女の健康をサポートする本を2冊同時に刊行した。ピンクの表紙は『女の病気 新常識』、ブルーの表紙は『オトコの病気 新常識』(いずれも講談社、各税込み1575円)だ。
医療が複雑に進化する現在、患者はおろか、医師でさえ時代の流れについていけていないことがある。昔のように、「医者の話を黙って聞いていればいい」時代ではなくなったからこそ、“患者目線”のガイドブックが必要だという。伊藤さんはこう話す。
「この本には、私たちが日常生活において知っておいたほうがいい医療の新しい常識が数多く書いてあります。いまは世にあふれる医療情報のなかから患者が自分で考えて取捨選択し、少し進んだ知識を持つことが必要になってきたからです」
なかでも今回は、「オンナとオトコは違う」という視点にこだわった。男女の性差に注目する「性差医療」はアメリカで発達しているが、日本ではまだあまり知られていない。そこで本を男女別に分けることにしたのだ。
「従来、医学的に男女の差は生殖器以外には少ないとされてきました。しかし近年、男性ホルモンと女性ホルモンの違いなどから、男女の病気や健康には確かな違いがあり、女性がかかりやすい病気や女性特有のリスクがあると報告されるようになりました。それならば、男女で1冊ずつ出せばいいと考えたんです」
本書には、定説をひっくり返す“新常識”が満載だ。「髪と肌は洗いっぱなしが究極のアンチエイジング」「体によいはずの植物性油が動脈硬化を招く」「井戸端会議はドライマウス予防に最適」「外反母趾はかかとの病気」など、まずはキャッチーなフレーズに目からウロコが落ちる。
例えば、多くの女性を悩ませる冷え症。従来は体質的なものと考えられてきたが、実は体の「熱を作る」働きに生じる不具合が一因という。これを防ぐには、食べ物から得たエネルギーを熱に換える機能を持つ「筋肉」を増やすトレーニングが有効になる。
「この本では現役バリバリの専門医による“医の最前線”の主張をわかりやすくまとめてあります。これまでの常識からはあっと驚く見解もたくさんありますが、現時点の知見でもっとも正しいものを選りすぐりました」
※女性セブン2011年9月8日号