8月18日に日本百貨店協会が発表した7月の日本全国の百貨店の売り上げは前年同月比マイナス0.1%。長引く不景気による売り上げ不振に頭を悩めるデパートでは、売り上げアップに向けて涙ぐましい販促キャンペーンが行われている。
例えば都内の某デパートでは、9月6日の前後にゴロ合わせで「黒の日フェア」を開催。キャンペーン中、同デパートでは、黒糖飴、黒やきそば、黒ゴマ、黒豆、黒酢、和歌山県名産の黒いあめ『那智黒』など、商品名に「黒」がついたものから、海苔、かりんとう、あんこ、ビターチョコなど、品物自体が黒いものまで、とにかく「黒いもの」が一斉に陳列・販売される。
「9月6日=黒の日」は、京都墨染工業協同組合が黒染めのPRのために1989年に制定したもので、この他にも9月6日は、「黒豆の日」「黒酢の日」「鹿児島黒牛・黒豚の日」などにも定められているという。同店で働く店員によれば、こうしたキャンペーンは一定の売り上げが見込めることももちろんだが、新たな商品の認知という側面が強く、購買意欲を喚起するために行われるという。
しかしデパートが行う販促キャンペーンの中には少々強引なイベントもあり、10月の第3日曜に設定されている「孫の日」はその典型。この「孫の日」は、1999年に日本百貨店協会が売り上げ増加を目論んで制定したものだが、前述のデパート店員によれば「認知度がまったく上がらず、売り上げ増加にはほとんど繋がっていない」そうだ。