就活で「学歴差別」が叫ばれるが、では「容姿差別」はあるのか。「美人は就職に有利」は本当なのか? 作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が、本音で語る。
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先日、放送作家鈴木おさむさんのラジオ番組に出演する機会がありました。テーマが「顔採用は、あるのか?」というテーマでした。うーん、これまた「学歴差別」ネタ同様、炎上を誘発するテーマですねぇ。
結論から言うと、顔だけで決まるほど選考は楽ではないものの、一部の企業、職種は重視しているのは事実です。
例えば、メーカーの一般職です。特に工場などでの事務の場合、郊外や地方にあり、事務=エンジニアのお嫁さん候補という期待はあるのですね……。忙しい職場もそうです。出会いがありませんからね……。
ちなみに、日本を代表するメーカーの人事に聞いた話ですが、理系男子を採用する場合「女性はどれくらい、職場にいるのか」と聞かれることがよくあるそうです。就活同様、婚活も大変な時代ではありますが、そもそも結婚難の原因の一つは職場結婚が減ったことだと言われていますよね、そういえば。
採用広告では絶対、口にしませんが、人材紹介会社などにオファーを出す際などに、容姿について依頼することもありますね。その際に「お嬢様っぽいのがいい」「ギャルっぽいのがいい」などのオーダーまであり、なかなか紹介できないこともあるとか。もう、どういう紹介だって感じですね。
もう一つは、対外的業務がある場合ですね。営業職などがそうです。特に広告など、人間力で売る商材の場合、相手の反応を考えてそうしているケースも。広報や受付などもそうですね。他にも、美人を採用することによって、男性従業員のモチベ−ションを上げようとしていることもありますね。
こうして考えると、あとの2つよりも従業員のお嫁さん候補という理由の方がえげつないですね。対外的な場合だと、地頭やコミュニケーション能力も勘案されますからね。
他にも、相手に暗い印象を与えないために顔採用しているケースもあります。顔が全てじゃないですが、とはいえ顔が暗いと言動も暗く……。顔だけでない理由で落ちて行くこともあります。
一方、顔だけで仕事できない人は最悪ですけどね。そんなに甘くはありません。
個人的に思うことは、顔立ちと顔つきは違うのではないかということです。顔立ちは生まれつきの部分がありますが、顔つきは人生の充実度、それまでの経験、心身の健康状態によって違います。就活のために整形する人もいまやいるわけですが、いくらキレイになろうと思っても、顔つきは最後は自分次第だということを考えてください。
内定する女子学生は美人だらけというわけではありません。むしろ、おばちゃんキャラの学生も内定がガシガシ出ているな、と。エネルギッシュですし、頭も気持ちも使えますし、タフ。そして、おばちゃんキャラでも、可愛いんですよね。
美人じゃなくてもいいですから、いい顔の自分でいたいですね。ブスキャラの女性タレントも、デブキャラの男性タレントもそれぞれ魅力的ですからね。