何かと「竹島・独島問題」となればアツくなる韓国。常に「独島は韓国の領土」と主張するが、もし日本がこの問題を国際司法裁判所に持ち込めばどうなるか。産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏の解説を紹介する。
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国際社会はすでに、日本の竹島領有は日本の韓国(朝鮮)支配の歴史とは無関係と判定しているのだ。だから日本は1950年代から国際司法裁判所の判断に任せようと主張し、韓国はその不安から絶対反対を叫んできた(双方がOK しないと裁判は成立しない)。
国際司法裁判所に持ち込めば日本が勝つ可能性は高い。日本では改めてこの“攻め道具”が関心を集めているが、国際司法裁判所持ち込み論にも実は重大な難点がある。
というのは、裁判で韓国が勝てば、残念だけれども問題は起きない。日本は昔からその判断に従うと約束し、国民にも執着はない。しかし逆に日本が勝った場合、コトは収まらない。
韓国政府は訴訟に同意した手前、しぶしぶ領有権を放棄するかもしれないが、長年の強力マインド・コントロールで「わが国のモノ」と信じ切っている国民は簡単には島を手放さない。政府の警備隊が撤収しても民間の「独島守備隊」が「死守!」に向かう。韓国政府だって反日愛国世論に押されあらためて「死守!」に乗り出すかもしれない。
となった場合,日本はどうするか。自衛隊でも派遣し、自力で取り戻すか。いや、当初から国際社会で解決してもらおうというわけだから、それはない。
では「判決を無視した不法占拠」の解除を国連に頼むか。国連の説得にも韓国が応じなかったらどうなる?
以下はいかにも仮想小説じみてくるが、国連軍の出動となるかもしれない。「独島をめぐって韓国軍と国連軍が一戦を交える」というのは、日韓戦争モノが大好きな韓国の大衆小説にもまだないが。
韓国人は「独島」を反日愛国主義の象徴にいつも対日闘志を燃え上がらせる。この反日マインド・コントロールを緩和させるには、国際司法裁判所持ち込み論は有効だ。仮想的に「国連軍との一戦」など実に新鮮(?)ではないか。国際化や世界化が流行りで「世界に広がる韓流ブーム」に沸いている韓国だから、「独島問題」に国際的観点を注入してあげるのは一つの手である。
※SAPIO2011年10月5日号