小宮山厚労相とたばこ税をめぐってさやあてを演じた安住淳・財務相は、目下、注目の的である。「民主党関係者のなかで、鉢呂(前経産相)の次に危ない爆弾は彼だとみんないっている」(民主党政策秘書)からだ。
なにせ、彼の引き起こしてきた舌禍は枚挙に暇がない。昨年9月の代表選の際、菅陣営で党選対委員長だった安住氏は、参院選に落選した小沢派の河上みつえ氏に「生活困ってるでしょ? 300万振り込んであげるから好きなもの買いなさい」と露骨な買収を持ちかけ、断わられた挙げ句、そのやり取りを暴露された。
今年7月には国対委員長として「被災地首長は国から金だけもらって立派なことをいうが泥をかぶらない」と発言、宮城県のある町長は、「上から目線で現実を知らない。国会議員を辞めてくれ」と憤慨した。
前出の秘書は、暴言連発の背景をこう説明する。
「彼は“ちびっこギャング”というアダ名が嫌で、周りを威嚇しようと尊大なことをいってしまう。最近は周囲に『俺は暴走族出身だからな』といってまわっているそうだが、一体どんなバイクに乗ってたのか……」
49歳のオッサンが“昔はワルだった”自慢とは、確かにスケールの小さい話だ。
「秘書や番記者にはすぐ怒鳴るが、相手が自分より上だとわかるといいなりになる。国会の廊下で秘書に『クビにするぞ!』と怒鳴っているのを見たことがあるし、記者とのオフレコ懇談では、都合が悪くなるとすぐ『おたくの社長にいうぞ』となる。そのくせ財務官僚には刃向かえないらしく、いまは増税レクチャーに唯々諾々と従っている状態だ」(政治ジャーナリスト)
論争相手の小宮山氏とは、ともにNHK出身の“同窓”。プライドだけは高く、官僚にはいいなりになって動くあたりは記者クラブの性が残っているようでもある。近親憎悪か。
※週刊ポスト2011年9月30日号