9月7日、民主、自民両党など超党派でつくる「国家主権と国益を守るために行動する議員連盟」(共同座長・原口一博、岩屋毅両衆院議員)は、外国人による国境離島の買収を防ぎ、国有化することを目的とした「特定国境離島地区における国による土地の先買い等に関する特別措置法案」など3つの法案を、年内にも国会に提出すると発表した。
原口氏が語る。
「わが国の国境離島の主権を平穏かつ安定的に維持管理していくことを目的とした法律です。たとえば尖閣諸島の大半は総務省が個人の所有者と賃貸借契約していますが、もっと国が前面に立った仕組みをつくる必要があります」
骨子案は、基本的に国境離島の土地建物を海外に売却することを許さず、国の先買いを認め、国有化を促進するといった内容になっている。
この他に領海の警備をより実効性のあるものにするための法案や、国境離島の地域振興を図るための法案の提出を予定している。
同議連は尖閣沖の中国漁船衝突事件直後の昨年10月、政府に毅然とした対応を求め、国会議員有志が設立。
「尖閣上空を視察するため、海上保安庁の航空機の使用を国交省に申し入れました。しかしなかなか許可が下りず、やむなく自費で民間機をチャーターして出かけました。その後、国境離島の警備強化を求める要請書を官邸に提出したものの、まったく取り上げてもらえませんでした。そこで、その要請書の中から法律化できるものを抜き出し、今回、議員立法することになりました」(原口氏)
野田政権がこれらの法案にどう対応するのか注目だ。
※SAPIO2011年10月5日号