ソーシャルメディアを活用した就活「ソー活」が人気だ。とはいえ「痛い」Facebookもあったりして…。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が「ソー活」論を展開する。
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最近、就活・採用の世界で注目されているのは、ソーシャルメディア、特にFacebookの活用です。ソーシャルメディア就活と双方向の就活という意味をかけて「ソー活」なる言葉も生まれました。
Facebookの採用活動への活用が注目を集めているのは、「個人と企業内個人がつながり双方向のコミュニケーションが可能」「いいね!で情報が拡散する」「海外では企業も求職者もこれを活用するのが当たり前」などもっともらしい理由が語られるわけですが、企業側のホンネで言うならば実にシンプルで、
【1】(今のところ)利用している学生が優秀層だから
【2】日本経団連の倫理憲章が改訂され採用活動が大学3年の12月以降になる中、早期から学生にアプローチできるから
【3】(今のところ)話題になるから
……というものです。新卒採用の件で、ご相談頂く際は主にこの3点からの相談が多いですねえ。
今年は大手ナビサイトがFacebookとの連動を強化することが明らかになっておりますし、Facebookページやアプリを制作する企業、さらには炎上対策も含め運営のアウトソーシングを担当する企業も現れています。
まぁ、間違いなく、今の世論は「ソー活」推しですが、いろいろと滑稽なことも起こっています。例えば、「とりあえずFacebookページを立ち上げた」という企業があるのですが、「いいね!」を押しているのが自社の社員と人材ビジネス関係者だらけ。その数も散々という…。
内容も、とりあえずホームページをFacebookに持ってきたというレベル。ディスカッションコーナーを設けるものの、一部の「意識の高い学生www」と人事担当者のやりとりになっていて入りづらい雰囲気を醸しだしていたり。さらに、一部の人事担当者と、ソーシャルメディア関係者が煽っていて、自作自演の臭いがプンプンすることも。
最近、聞いて興味深かったのが、某有名企業の社員が自社のインターンシップを受けている学生にリンクしまくったことです。出会って数日なのに熱い誕生日祝いメッセージがあり、「正直、気持ち悪い」と思ったとのこと。まぁ、今年は様々な炎上事件が起きそうですが、この手の新しいものは試行錯誤をへて確立されていくものです。暖かく傍観しましょう。
企業の採用関連Facebookページで個人的に面白いなと思ったのが、リクルートHRマーケティングのFacebookページです(http://ja-jp.facebook.com/HRM.Recruiting)。面白いのが、TODAY’S SMILEというコンテンツ。ファッション誌の街角読者撮影コーナーみたいに、毎日のように社員のプライベートな姿が登場するのですよ。
この手の採用系のサイトには、各社とも「見栄えがよくて、仕事も出来る社員」が登場するわけですが、このサイトでは必ずしもイケメン美女だらけじゃないことが特徴です。さらに、その写真には、社長から一緒に働いている仲間から、みんなが「いいね!」を押してコメントしているのですけど、それが自作自演っぽくなくていい感じなんですよ。その人の素の評価が伝わるなぁ、と。
作り込みすぎて首をかしげてしまうFacebookページ、いかにも業者が作った感のあるページも増えてきた中、社員の魅力が自然体で伝わり、かつヤラセっぽくないことに好感が持てました。
今年は様々な採用系Facebookページが出てきそうです。激しく傍観したいと思います。