ペナントレースはいよいよ大詰めを迎えた。だが、優勝、CS争いよりヒートアップしているのが、オフを待たずして始まったストーブリーグ。内紛あり、急転直下の指揮官交代劇あり――。12球団それぞれの裏事情を、5人の番記者が暴露しまくる【番記者座談会】。今回は、日本ハム・梨田監督についての話題だ。
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A記者:9月15日に会見を開いた日本ハム・梨田(昌孝)監督の勇退。本当のところはどこも書けなかったみたいだね(笑い)。
B記者:本人がいうように、「最初から今年1年限りと心に決めていた」とは思えない。早い時期に球団から続投要請がくるものと思っていたのに何もない。それに焦った本人が親しい記者に「梨田解任」と書かせて球団の反応を見たら、ホントに監督交代になっちゃったというのが真相のようだ。
C記者:退任会見では穏やかな表情で「これは卒業です」と円満退団を強調していましたけど、ある記者が「更迭ですか」と質問するとキッと睨みつけていた(笑い)。
D記者:それにしても、ハムはいつもこうだよね。上田(利治)監督時代は、「家庭の事情」で突然休養して優勝争いしていたチームが失速したし(1996年9月)、ヒルマン監督が日本シリーズ直前にメジャー球団と接触したことで動揺が生まれ、シリーズで惨敗した(2007年)。梨田監督はコーチ陣の再就職を考えて、早めの発表がいいと判断したみたいだけど……。
E記者:それがかえって球団の不信感をあおった面があります。ああ見えて結構したたかなところがある梨田さんのこと、どうせ再就職の手はずを整えているんだろうと。
D記者:実際、本人は来年、関西に帰ってユニフォームを着るつもりで、阪神やオリックス関係者に盛んに売り込んでいたんでしょ? あるオリックスの関係者に聞いたけど、「梨田も大きくなったなあ」というと、本人は「腹だけは大きくなりました」と答えたって。
A記者:そういえば、辞任についてダルビッシュに聞くと、「監督の処遇に一選手が発言すべきじゃない」と我関せずだったね。
B記者:ダルは恩師と慕う佐藤(義則)コーチ(当時。現・楽天コーチ)がクビになった時(07年)は、「優勝の功労者に球団は何を考えてるんだ」と怒ったのに、今回はクール。オフのメジャー行きが確実だからどうでもいいのかもしれないけど、梨田監督の人望がどの程度か、うかがい知れるな。
※週刊ポスト2011年10月7日号