9月29日でついに最終回を迎える『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)。21年にもわたり視聴者に愛されてきた国民的ホームドラマの魅力について、コラムニストのペリー荻野さんはこう分析する。
「日頃は何もしないくせに、父親の遺産相続の話になると、金だけせびってくる小姑たち。でも、法律的には彼女たちにその権利はあるんです。一方、こき使われてきた嫁は一銭ももらえない。橋田壽賀子先生は、そこを疑問に思ってこのドラマを書き始めたとおっしゃっていました。『渡鬼』って実は、社会性を色濃く映している。初回の1990年は独身だった私もいまでは古女房。気づいたら五月と同じ、みたいな。知らぬ顔で素通りできぬこの21年でした」
一方、コラムニストの今井舞さんからはこんな提案も。
「現実の社会で起こる出来事をもりこみつつも、橋田ワールドが描く時代設定は、あくまで昭和だったと思います。だから、『渡鬼』の最終回は、本当の意味で“昭和と決別する日”。いっそ橋田先生の生前葬だと思って、国民として見守るべきだと思うんです。おじいさん、おばあさんから孫まで、家族総出でお茶の間に集えば、親孝行にもなりますし。敬老の日をこのドラマの最終回の9月29日に変えるべきじゃないかと、私は思うくらいです」
※女性セブン2011年10月13日号