芸能界と闇社会の関係――中国本土では芸能界は巨大ビジネスとなっていないため、現在のところ黒社会(マフィア)との癒着も社会的な問題とはなっていない。ただし、香港は事情が違う。
中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聰氏の話。
「香港では、映画業界を取り仕切る主体そのものがマフィアなのです。彼らは映画の興行を本業の儲けとしているが、売春組織と一体化していて、有名な映画女優を斡旋している。自らの組織にとって、政治家や外国の要人など重要人物が『会いたい』と指定した女優を電話一本で呼び出し、相手をさせるそうです」
日本でも知られた有名な女優にも50万円という値段がつけられているという噂もまことしやかに出回っているほど。香港では、マフィアを摘発すれば香港映画が一作もできなくなるとすらいわれている。マフィアとの闇は深い。
※週刊ポスト2011年10月14日号