iPhone5の発売が話題になり、携帯電話に占めるスマートフォンの割合が増えているが、大前研一氏は、デジタル家電の主戦場はスマホからテレビへ移るとみる。
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そもそもスマホは、携帯電話ではあるが、PC(パソコン)と同じ機能を持っている。つまり、スマホは携帯電話の形をしたPCなのである。かたやPCはどんどん小さく薄く軽くなってきた。要は、PCであれ携帯電話であれ同じことができる、というところに収斂(しゅうれん)しつつあるのだ。
このような流れの中で何が起きるかといえば、デジタル家電の“主戦場”がスマホからテレビに移っていくだろう。デジタルテレビを「巨大なスクリーンのスマホ」と捉える考え方である。デジタルテレビは、ネットにつながることで、スマホやPCで行なっていることがすべて可能な「スマートテレビ」になるのだ。
今後はテレビとPCとスマホのサービスレベルに差がなくなると同時に、それらはすべてインターチェンジャブル(交換可能)になる。私が過去に指摘した通り、今までは別々の“デジタルアイランド”だったテレビとPCと携帯電話がネットでつながり、巨大な“デジタル新大陸”が出現するわけだ。
※週刊ポスト2011年10月14日号