東京都で10月1日から施行された暴力団排除条例に戦々恐々としているのは芸能界だけではない。政治家たちも、自らに捜査のメスが及びはしないかと肝を冷やしているのではないか。
政界と暴力団の癒着ぶりをよく知る事情通3人、現役代議士秘書であるA氏と、大物議員たちと闇勢力の付き合いを間近に見てきた自民党系の元議員B氏、そしてベテラン政治ジャーナリストのC氏が政治家と暴力団をテーマに意見した。
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A秘書:永田町には密接関係者どころか“ヤクザそのもの”といえる人も多かったですしね。有名な所ではハマコー(浜田幸一)さんなんて、ご自分で“千葉の元ヤクザ”と公言していたでしょう。
ジャーナリストC:泣く子も黙る大物ヤクザの子分だったらしいですね。もっと大物では、あの小泉純一郎・元総理の実家がヤクザなのは間違いない事実だけど、大マスコミは報道しなかったから、今でも知らない国民は多いでしょう。逓信大臣だった祖父の又次郎氏は、“入れ墨の又さん”と呼ばれた大親分。
小泉内閣時代は、竹中平蔵さんが“売国奴”“米国追従”と民族派から非難されて苦労していたけど、小泉さんが右翼から街宣をかけられたとは聞かない。“ヤクザの大親分の家柄”と関係があるのかもしれない。選対本部長が稲川会の元幹部だったと報じられたこともありましたね。
B元議員:実家が、というだけでなく、昔の自民党には、“現役の大親分”といわれる代議士が結構いたもんです。もう亡くなったが、閣僚も務めたある先生は凄まじい迫力だった。普段は温厚なのに、“参院のプリンス”といわれた名門出身のエリート議員にネチネチとイヤミをいわれて、本気で爆発した有名な事件がある。
“アイツだけは許さない”と、そのエリートの部屋に殴り込んでボコボコにした。この人の背中には一面の入れ墨が入っていたけど、どんなに親しい議員にも決して見せなかったといわれる。他には九州出身のある閣僚経験者も“地元に帰れば大親分”といわれていた。
※週刊ポスト2011年10月21日号