10月14日から販売が始まったアップルの最新スマートフォンiPhone 4S。これまで日本国内独占販売だったソフトバンクに加え、auからも発売されたiPhoneだが、新たに契約しようというユーザーの多くが、どちらのキャリアを選んでいいのか、悩んでいるのでは。
あるいは、これまでソフトバンクでiPhoneを契約していたというユーザーもauに乗り換えるべきかどうかで悩んでいるだろう。ここでは、料金面と通信機能を中心に比較してみる。まず、気になるのが料金。iPhone契約での一般的なプランで、端末代金を24回払い(2年間)で設定したケースを比較してみる。
【月あたり料金 SB:5750~6585円 au:6275~7135円】
ソフトバンクの場合、「バリュープログラム(i)」適用で毎月の支払金額は、iPhone 4Sの16GBモデルが5750円、32GBモデルが6185円、64GBモデルが6585円となる。一方auだと「ISフラット iPhoneスタートキャンペーン」を新規契約で申し込んだ場合、通常の「ISフラット」料金が5460円のところ、4980円に値下がり(最大24か月)となり、16GBモデルが6275円、32GBが6705円、64GBが7135円となる。
通話料金(両キャリアともに前述のプラン)については、ソフトバンクが30秒21円で、午前1時から午後9時までの時間はソフトバンクとディズニー・モバイルへの通話が無料となる。auも30秒21円で、午前1時から午後9時までauへの通話が無料。通話料金については、両キャリアともほぼ同じ条件だ。ここは「知り合いで使っているキャリアが多い方」を選ぶとおトクになるといえよう。
【乗り換え:10000円キャッシュバックのau、ホワイトプラン最大15か月無料のSB、SBでは既存iPhoneユーザーへの特典も】
auでは「乗りかえキャッシュバックキャンペーン」としてMNP(番号ポータビリティ)を利用してiPhone 4Sを契約し、「ISフラットiPhoneキャンペーン」と「IS NETコース」に申し込んだ場合に、10000円のキャッシュバックを実施している(2012月1月31日まで)。キャッシュバック(郵便為替)は、契約した月から3か月後の下旬以降に請求書送付先の住所・氏名宛てに発送される。
一方のソフトバンクでは「アレ コレ ソレ キャンペーン」を2011年11月30日まで展開中。iPhone 3G/3GSからiPhone 4/4Sへの機種変更をする場合、機種代金の割賦残高を全額キャッシュバック。さらにiPhone 3G/3GSの端末代金を全額支払い済みの場合でも、6000円をキャッシュバックする。加えて、iPad2を月額0円から持てる。また、他キャリアから乗り換えた場合は、「のりかえ割」と「ただとも」プログラムを合わせて活用することで、ホワイプラン基本使用料が最大15ヶ月無料になる。
【「2台持ち」か「1台持ち」も判断の基準に】
次にデータ通信の機能を比べてみる。まず、ソフトバンクではインターネットにつないでデータ通信を行いながらの通話が可能だが、auではデータ通信と通話を同時に行うことができない。たとえば、音楽ファイルなどをダウンロード中に着信があった場合、ソフトバンクではダウンロードを中断せずに電話にでることができるが、auでは着信するとダウンロードが中断される。
同様に通話中のメール受信もソフトバンクはOKだが、auではできない。ユーザーの使い方にもよるが、ネットと通話の両方でiPhoneをたくさん使うのであれば、ソフトバンクのほうが使い勝手がいいといえるかもしれない。ただし、「2台持ち」でiPhone4Sをネット専用にするのであれば、さほど影響はないだろう。
理論上の最速通信速度(下り)では、ソフトバンクが14.4Mbpsでauが3.1Mbpsとソフトバンクが大幅に上回っている。しかしながら、あくまでも理論値であるため、簡単に「ソフトバンクが4倍以上速い」とはいえない。速さはその時々の状況(回線の混雑具合・場所等)次第である。
また、auは駅のホームなどの利用者が多い場所でのネットワーク強化を図っており、加えてスマートフォンユーザーがソフトバンクに比べて少ないので、電波がつながりやすいという傾向がある。電波状況を考慮するとどちらが優れているのか判断は難しそうだ。
とはいうものの、Wi-Fiスポットの数でいえば、ソフトバンクがおよそ10万箇所なのに対し、auはおよそ1万箇所。ソフトバンクの場合は、Wi-Fiを利用することで、大容量のデータ通信を広範囲で可能にしそうだ。