まもなく中学や高校受験のシーズンがやってくるが、いま、受験生の保護者が注目しているのが、英語教育と理数教育の充実度だという。
「日本企業でも英語公用化が進み、就職氷河期の中でも理工系は安定している。そうした分野に強いことをアピールする中高一貫校が増えています」(教育情報の調査・提供を行なう「大学通信」安田常務)
英語や理数教育の充実度の数値化は難しいが、大学通信は今年6月、首都圏の学習塾塾長らへのアンケート調査を実施し、志望校選びのプロの目から見た「英語に強い」「理数系に強い」学校をランキング化した。
首都圏にある387の中学受験学習塾の塾長、教室長へのアンケートをおこない、両項目それぞれに1~5位を挙げてもらい、1位を5点、2位を4点……5位を1点として、ポイントを合計したものだ。
英語教育で断トツの評価を得たのは八雲学園(東京)で75ポイント。同校は英語の授業時間数が多いだけでなく、中1から英文のレシテーションコンテスト(暗誦朗読会)や、英語劇を授業で採用している。
また、中3の2月には全員が米国の大学で15日間の語学研修を受ける。2位は豊島岡女子学園(東京)・60ポイント、3位は宝仙学園/理数インター(東京)・56ポイント。4位に巣鴨(東京)・52ポイント、5位城北(東京)45ポイントだ。
理数教育の1位は小野学園女子(東京)で136ポイントと断トツだ。「未来の女性科学者の育成」を掲げる同校では、中1、中2の理科の授業の半分は実験に費やし、中高6年間で実に185回の実験を行なう。また、東京農業大学や工学院大学と連携して共同研究・講義などを実施している。2位につけたのは佼成学園女子(東京)で74ポイント。3位が頌栄女子学院(東京)・49ポイント、4位に東京女子学園(東京)と聖学院(東京)が同列48ポイントとなっている。
※週刊ポスト2011年11月4日号