「平成の開国」といわれているものの、「とにかく(T)、ピンとこないし(P)、ポイントもわからない(P)」TPP問題。
農家が大集会を開いて「反対!」と叫んでいるかと思えば、「日本が世界から遅れる」と賛成を主張する経済学者も多く、意見はまっぷたつに分かれている。
簡単に説明すると、TPPは「参加した国が、お互いの輸出品にかけている関税を0%にする」という取り決めだ。正しくは「環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Partnership)」の略だ。
TPPで自由化が検討されているのは、農業、医療、製造だけでなく、金融やアパレルなど計21分野に及ぶ。現在、海外の高級ブランドには8~20%程度の関税がかかっている。TPPが導入されれば、関税が0%となり、“毎日がデューティーフリー”状態になるかもしれない。
ただし、これはあくまで「ティファニー」「コーチ」などアメリカブランドの話。「シャネル」や「ルイ・ヴィトン」などのヨーロッパブランドは、EUがTPPに参加していないので、価格に変わりはない。
モノが安くなり、サービスが充実する点は魅力。しかし、農業や製造などのように、国内産業は厳しい競争にさらされる。
経済評論家の森永卓郎氏はこういう。
「自由競争が進むと強い企業が勝ち、弱い企業は負ける。いまの韓国やアメリカのような超格差社会になる。お金持ちはさらに稼ぎ、そうでない大多数の人たちは負け組になっていく。それがTPPの行く末です。ウォール街の『格差反対デモ』が日本で起こる日も近いかもしれません」
※女性セブン2011年11月17日号