電話嫌いの若者が増えている。上司への報告も極力メールで、というタイプも多い。
生物学者の池田清彦・早稲田大学国際教養学部教授も声によるコミュニケーションの重要性を訴える。
「そもそもコミュニケーションとは、自分が変わること。サルも鳴き声や臭いなどで相手とコミュニケーションし、仲間に入れたり排除したりという判断をする。電話なら音声が耳に残ったり心に響いたりして気持ちの変化が促されるが、メールだと感情が伝わらない」
直接顔を合わせない電話すら満足にできない若者に、池田氏は手厳しい。
「メールに頼るのは、相手に否定されたり自分を変えることを恐れる若者特有の行動。電話もできないメール依存で動物的勘が鈍ると、『この女、口説けそうだな』と見破る力が薄れてくる。草食系男子が増えるわけだ」
電話嫌いは男の沽券にかかわる、ということなのか?
※週刊ポスト2011年11月18日号