政治やメディア問題を厳しく追及する上杉隆氏の“本業”は、実は「ゴルフジャーナリスト」である。自身も70台で回る腕前を誇る上杉氏が、政治とゴルフの関係にまつわるエピソードを紹介する。
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日本の歴代首相でもっともゴルフ好きなのは、間違いなく鳩山一郎だろう。彼は戦前、単身、スコットランドのセント・アンドリューズやアメリカ西海岸のぺブルビーチを訪れて、クラブを振っている。国会をサボってゴルフに行くことも多く、「あまりに頻繁なので、文部大臣時代には首相から『なんだ、鳩山はまた棒振りか』と呆れられていた」(鳩山一郎元秘書の石橋義夫氏)という。それでも飽き足りず、軽井沢の別荘にコースを造ったほどである。
不思議なのは、鳩山がセント・アンドリューズやマスターズなど、当時の日本人では到底手が届かなかったはずの海外の名門ゴルフクラブで当たり前のようにプレーしていたことだ。なぜそんなことが可能だったのか。その理由は、鳩山一郎が属していた秘密結社・フリーメイソンにあったといわれている。
フリーメイソンが石工職人たちのギルドから始まったのは有名な話だが、スコットランド・エジンバラで、王族・貴族に憧れて初のゴルフクラブを作ったのも、石工職人たちだった。
つまり、かつてゴルフクラブを作った石工は、フリーメイソンだったのではないか。そう考えると、鳩山が名門クラブでプレーできた理由も納得がいく。もちろんこれは仮説でしかないが、権力者や成功者に愛され続けるスポーツであるゴルフらしい逸話だ。
※週刊ポスト2011年11月18日号