大前研一氏は、福島第一原発事故の起きた日本では、もう新たな原発は建設できないだろうと予測する。既存の原子炉の延命も今後は難しいので、寿命が来る30年後に日本の原発はゼロになると考えねばならない。では、どうするか。以下は、大前氏の解説である。
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「脱・原発」に向かう日本が他の国に輸出することを倫理的に批判する意見もあるようだが、私は大いに輸出すればよいと思う。
なぜなら、日本で原発が存続・新設できなくなるのは国民に受け入れられなくなったからであり、商品としておかしいわけではないからだ。それどころか、日本の原発が世界最強のマシンであることは間違いない。
しかも、今回の過酷事故を経験したことで、いっそう安全性が高まる。その経験を含めて他の国々が必要とするのであれば、輸出するのは全くかまわないと思う。
永世中立国のスイスが世界有数の武器輸出国になっているのと同様に、日本が「脱・原発」に向かうことと原発を輸出することは別の話である。そこのところは国益にかなうビジネスと割り切って、国営原子力会社には多大な犠牲を払った福島第一原発事故の苦い経験を生かし、輸出で稼いでもらいたい。
※週刊ポスト2011年11月25日号